もち大麦パンに熱視線
コメ代替食として、アンリエットが10年前から基礎的研究を続けている「もち大麦パン」が、高騰するコメの代替食として脚光を浴びています。何と言ってもアンリエットの手掛ける「もち大麦パン」は、わずかな価格アップだけで、美味しくて・腹持ちが良くて・しかも食物繊維が豊富で・腸活の優れものと自負しています。
アンリエットは長年の研究成果を世界のベーカリーへ伝えたいとの想いで日本食品科学工学会の学術論文誌へ2報の技術論文を投稿しています。現在は、第3報の投稿に向けて、日々、製パン実験に取り組んでいます。大麦パンのレシピを紹介するパン職人は日本全国に多くいらっしゃいます。しかしなぜそのようなレシピになるのかを説明されるパン職人さんはいません。長年の経験に裏打ちされた上で考えられたレシピですが、そこには多くの不確かなことがあり、うまく焼けない、膨らまない結果が出た場合にどうすれば良いかの解は説明されていません。
アンリエットを営む私,中塚康雄は、食品科学(発酵,食品材料科学全般)を一から勉強し、大麦混合パンがなぜ膨らまないのかを論文第1報で考察しました。それではどうすれば膨らむのかを論文第2報で主張しました。微量酵素前処理技術です。大麦穀粉中に含まれる食物繊維から成る粗大な胚乳細胞壁を酵素によってデンプン粒子と同サイズまで微細化するのです。確かに膨化性は改善されましたが、100%小麦パンと同じ膨らみを得ることはできませんでした。
現在は、30%もち大麦パンを100%小麦パンと同じ膨らみにする技術を研究中ですが、重要なことはその作用機構(メカニズム)を明らかにすることです。どうして良くなるのかを考え続け、そこから仮説を立て製パン実験を進めています。今、新しい光が見えつつあります。世界のパン職人の方々にこれらの一連の技術を使ってもらい、大麦粉だけでなく、大豆、小豆、とうもろこし、じゃがいもなど身近にある作物粉を混合してパンを作ることは、食料不足の解決に繋がりかつ食物繊維の持続的摂食によって健康寿命の長寿化が期待されます。
アンリエットを営む私,中塚康雄は、10年間の歳月をかけて辿り着いた経済性・実用性に優れた30%もち大麦パンの製造技術のすべてをオープンにします。大学や公的研究機関の先生方やお客様の温かいご指導や励まし,叱咤激励を背に受けながら、来年2月には最終章として大麦パン論文第3報を投稿できるように、ベーカリーを営みつつ基礎的研究から実用化開発を経て商品化の実証を続けています。もうあと半年しかありませんが、長年の夢を叶えるために日々精進です。